資料6 Learning to Manage Health Informationの抄訳

T 本資料の目的

 1.健康情報学(Health Informatics)は、ヘルスケア専門職の生涯教育における重要性をもったテーマであるが、異なる段階の臨床教育を通じての統合は殆どなされていない。

 2.健康情報学を、ヘルスケア専門職の生涯教育におけるテーマとして提案すること。

 3.生涯教育における保健情報学の教育的枠組みを確立するためのいくつかの主要な要素を提案すること。

 4.生涯教育に占める健康情報学の連続性を達成することの有用性について議論すること。

U 研究法

 1.一般的な目的

  1)臨床教育に占める健康情報学のための一般的な枠組みの核となる要素を確立すること。

 2.ヘルスケア専門職の置かれている状況

  1)健康情報の使用と管理に関わる学習は、機会的である。

 3.本ドキュメントの特徴

  1)特定の専門職における学習ニーズを決めようとするものではない。まず、異なる専門職を横切って共通の要素を明らかにすることに努め、臨床教育プログラムの責任者に必要とされる行動への指示を与えるものである。

  2)この資料は、如何に学ぶかでなく、何が学ばれる必要があるかを明らかにすることに努めた。

 4.前提

  1)患者のケアは次の事柄に依存しているということ。

   ・情報の有効性、質と正確性

   ・個人情報を創り出し、アクセスし、使用し管理するためのヘルスケア専門職の能力

   ・必要とする人々への臨床実践やサービス提供の効率を拡大するために、証拠に基づいたケアのための情報管理ツールへアクセスし、使用すること

   ・コミュニケーションのための有効なシステムとよいコミュニケーションスキル

   ・データと情報を、安全に、倫理的に、機密的に操作することを保証すること

  2)健康情報学は、ヘルスケア領域において情報を管理する科学と、これを臨床研究、意思決定と実践を支援するために応用することを示すことに用いられる用語である。

   Information Management and Technology(IM&T)やInformation and Communication Technology(ICT)と同じ意味で使われている。

 5.教育の基礎となる考え

  1)基礎的な臨床教育における変わりない要素は、単に特定の科学的事実のセットを学ぶことでなく、科学的な法則を獲得することと、問題解決能力を身に付けることである。

  2)学習プログラムは、学ぶことを導き、刺激するための教育的なプロセスを学習者に与えるように工夫されなければならない。

 6.情報学の健康にかかわる側面と教育

  1)情報学は、認知的、情報的なプロセスと臨床実践、教育、研究及びヘルスケア管理のコミュニケーション役に関与することで、明日のヘルスケアにおいて決定的な役割を果たす。

  2)情報科学とこれらの活動を支援する技術を含んでいる。

  3)臨床教育と健康情報学は、深く関連しあうものである。

  4)情報学は、教育が計画され、管理され、提供される方法の本質的な部分をなしている。

V 学習すべき内容

 1.はじめに

  1)本資料の強調点は、健康情報および情報への熟練に置かれているので、基本的なコンピュータスキルには高い優先権を与えなかった。

  2)基本的なコンピュータスキルは、学習プログラムを立案する段階で重要な事項である。

 2.コミュニケーション(Communication)

  1)健康記録を記述することと読むこと

   (1)よい実践のためのキーポイント

    ・全てのヘルスケア専門職は、自らが所属する専門団体の規定する基準を守らなければならない。

    ・全てのヘルスケア専門職は、法律、患者、NHSの方針や諸手続きに関連し、また、データの入手と分析のための出所として、患者/健康に関する記録の位置付けを明確に理解すべきである。

   (2)学習内容

    ・ 臨床実践やサービス提供における患者/健康記録の使用に関連する、管理と責任についての目的、役割、構造、争点について再検討すること

    ・記録される情報は、専門家の間で変わりうることの理由を分析すること

    ・非構造的、半構造的および完全に構造的な記録の有利な点と不利な点を説明すること

    ・複数の専門職が関わるケアを支援する記録についてのこれまでの進歩を評価すること

    ・記録内容を読むこと、患者登録をすること、記録を更新すること、削除して登録を取り消すこと、レポートを作成すること等のいずれであるかに関わらず、ある個人の患者記録を閲覧/修正する権利のある個人とグループを特定すること

    ・付記

     最低2種類以上の記録システムを評価し、それらの強みと弱みの要点を把握すること

     記録を保存するために利用できるデータの書式と記録媒体の範囲、及び健康記録とその内容を検索するための異なる方式について探ること

     記録を入手し、保存するための現在の方針と手続きについて論議すること

     自分の施設における記録保存について検査し、その強み、弱みと必要な改善策を考察すること

     電子患者記録の発達程度を検討し、今後の進展のための主要な目標について議論すること

  2)臨床用語

   (1)よい実践のためのキーポイント

    ・ヘルスケア専門職は、自分達やヘルス関連職が電子化された臨床データや情報を最大限に利用できるようにするため、コーディングの妥当性、適用性、限界を理解する必要がある。

   (2)学習内容

    ・意味と文脈を伝達するための記録を作成するために、用語を適切に使用すること

    ・異なる職種間でのコミュミケーションのために、意味を共有することが重要であることをはっきりさせること

    ・電子化された臨床記録において、標準的な(コード化された)専門用語を使用することも利点を確認すること

    ・直接的な患者ケアのための臨床データのコーディングと、国内や国際的な分類法を用いて統計目的のために使用する分類コードを区別すること

    ・使用されている標準的な臨床用語の有利な点と不利な点を確認すること

  3)チームワーク

   (1)よい実践のためのキーポイント

    ・全てのヘルスケア専門職は、自らが所属する専門団体の規定する、情報の共有とチームワークのための基準を守らなければならない。

    ・委譲、紹介や共同ケアは、臨床実践におけるコミュニケーションの主な例である。ヘルスケア専門職は、患者の病歴と現在の状態に関わる全ての情報を共有できることを保証しなければならない。

    ・患者は、ケアのいつの段階においても、明確な情報を与えられている場合に限って、知らされた上での選択を行うことができる。患者はチームの中で同等の資格をもつパートナーとして認められなければならない。

    ・使用する言語は、彼らに馴染みのあるものでなければならない。

    ・情報の使用と共有についての彼らの要望は、適切な専門家としての指導により助言を与えることで、尊重されなければならない。

    ・彼らが必要とする情報を受け取り、それを理解できるようにしなければならない。

    ・記録は、明確で、読みやすく、閲覧できるものでなければならない。

    ・その発生、構造と内容に関して、コミュニケーションの質を定期的に評価することは、全てのヘルスケア専門職の目的であるべきである。

   (2)学習内容

    ・地域やヘルスケアチームにおける他の専門職との役割、情報、コミュニケーションニーズを検討すること。

    ・次の目的のために、情報を総合的に伝達することを行うこと。

      勤務交代や不在時の代役のための委譲

      紹介や退院

      ケア過程の共有

    ・ヘルスケア上のニーズや管理計画について、他の職種の同僚に正確に情報を提供することを失敗したことから生じる影響を評価すること。

    ・実行程度を評価し、苦情の実例を見直し、コミュニケーション不足から来る臨床的ないし組織的な問題と、それが患者へのケア、訴訟、一般の信頼やチームのダイナミクスに及ぼす影響を分析すること。

    ・構造的、半構造的ないし自由な書式を用いて、紙でも電子的でもよいので、臨床上のコミュニケーションにかかわるフィードバックを作り上げ、送り、受け取ること。

    ・チームメンバーとして、コミュニケーションにおける患者の役割、あるいはコミュニケーションでの期待に関するフィードバックを入手し、評価すること。

    ・付記

     情報の送り手が異なる専門用語を使用している場合の、臨床上のコミュニケーションのフィードバックを受け取り、分析し、解釈し、入手すること。

     電子的な手段による交流の可能性について再考し、異なる交流方法の利点と不利点について述べること。

 3.知識管理(Knowledge Management)

  1)よい実践のためのキーポイント

   ・ヘルスケア専門職は、根拠に基づく実践の原則を理解し、知識リソースを最大限に活用するために情報技術ツールを使うことができなければならない。

   ・全てのヘルスケア専門職は、外部にある知識の利点と限界及びそれが臨床実践を支援し助言する過程について理解するために必要な知識とスキルを身に付けることを、生涯に渡って保証する義務がある。

  2)学習内容

   ・特定のオンラインによる健康関連情報を見つけて、そのデータや情報の信頼できる出所を明らかにすること。

   ・ある事項について特定の質問をつくり、その答えを探すこと。(文献検索スキルを用いること)

   ・患者のケアを支援するためのエビデンスを使用し、批判的に評価する能力を実証すること。

   ・臨床意思決定の複数の方法について述べること。

   ・エキスパートシステムと人工知能の概要を説明すること。

   ・決定支援の4つの実例を挙げ、アクティブシステムとパッシブシステムの相違について説明すること。

   ・自分の実際上のニーズに相応した一般的な統計パッケージを使用すること。

   ・地域のガイドラインの作成と実現における”最良の実践”を記述すること。

   ・患者が、ますます自らの情報、知識ベースや決定支援ツールへアクセスしていることの影響と、実践上の必要な変化について議論すること。

   ・ケアパスウェイやケアの側面の利点と不利点を示すのに役立つエビデンスを利用すること。

   ・地域のガイドラインやケアパスウェイが決定支援で果たす役割を批判的に評価すること。

   ・付記

    意思決定と決定支援システムの違いを理解すること。

    決定支援の利点と不利点を明らかにし、決め手となるデータの重要性を明確に理解すること。

    決定支援ソフトの所有権、正確性、信頼性の問題を議論すること。

    NHSの臨床ガイドラインの作成、構成、保証と評価を述べること。

    ガイドラインを電子的に利用可能とすることの意義を理解していることを実証すること。

    現在利用可能な決定支援システムの利点、不利点を述べること。

 4.データの質と管理(Data Quality and Management)

  1)よい実践のためのキーポイント

   ・ヘルスケア専門職は、臨床での観察、測定、技術の再現性と不正確性をめぐる問題について理解しておくべきである。そして、これらの要因の影響を最小限にする方法を知り、また、データの質に対する人的、組織的、臨床システム上の特徴がもつ潜在的な影響を考慮すべきである。

  2)学習内容

   ・患者ないし患者グループのケアやヘルスサービスの管理におけるデータと情報の役割について理解すること。

   ・ケアを行うために、種々の情報源による臨床データや情報を用いること。

   ・次のデータ/情報管理の原則を、ケアの実践や記録管理に応用すること。

    正確であること

    接近可能であること

    完全であること

    統合されていること

    妥当であること

    タイムリーなこと

   ・個人やグループについてのデータを正確かつ包括的に記録することに失敗したことから生じる、ヘルスケアへの影響を評価すること。

   ・NHSが収集するデータの一貫性の重要性を正当化し、このことに、いかに構造化されたデータの収集が寄与しているかを実証すること。

 5.機密性と安全確保(Confidentiality and Security)

  1)よい実践のためのキーポイント

   ・全てのヘルスケア専門職は、臨床実践に関して、機密性の原則とその履行を理解し、応用することができるべきである。

  2)学習内容

   ・臨床データへの正規ないし不正規な接近、関係する団体及び機密保護違反を最小限にする戦略について述べること。

   ・資格登録、契約法、一般法、法定義務も含んだ、秘密保持義務についての様々な出展を述べること。

   ・次の法律に関する主な特徴、定められている法的責任について説明すること

    データ保護法1984

    健康記録アクセス法1990

    コンピュータ誤利用法1992

    データ保護に関する欧州規制

   ・患者を同定可能な臨床データを含む地域システムが関連するほうや規制にしたがっている程度を評価すること。

   ・それに従って患者の同定が行われる主要な原則を列挙すること。

   ・臨床データを共有するのに先立つインフォームドコンセントの意義とそれを必要とする事情について説明すること。

   ・情報が技術的、物理的、手続き的ないし個人レベルで安全性を保護されるための、異なる方法を理解していることを実証すること。

   ・指導の源となることを理解し、助言は、

   ・付記

    ヘルスケア専門職が責任を負うところの地域システムにおける適切なデータ保護について批判的に検討すること。

    ネットワーク内と間におけるデータ通信に関連する安全性と機密保持に関する問題を述べること。

    患者/健康記録を閲覧するための異なるタイプの要求方法を説明すること。

    二次的な目的でデータを提供したり使用することに関連する機密保持上の問題点を明らかにすること。

    暗号の基礎的な原則を述べ、利用可能なことなる方法を説明すること。

 6.臨床上のデータや情報を二次的に使用すること(Secondary Uses of Clinical Data And Information)

  1)よい実践のためのキーポイント

   ・ヘルスケア専門職は、臨床データを収集することの諸目的及びその利点と危険性を理解すべきである。

   ・ヘルスケア専門職は、データ検索要求を明らかにし、検索プランを作成し、臨床システムに記録されたデータを適切に検索し利用するために必要なスキルを持つべきである。

  2)学習内容

   ・異なるヘルスケア部門の情報ニーズを明らかにすること

   ・データの入力と検索の間の関連を説明すること

   ・臨床データの集合の概念と、その方法を用いる理由を説明すること。

   ・データ項目の入手とその利用の関連について再検討すること。

   ・収集したデータの分析と解釈に影響する要因について説明すること。

    ケースミックス(casemix)における変化

    疾病の複雑性

    ケアモデル

    データ記録における一致した標準の欠落

   ・国家統計を作成するためのシステムとその情報の潜在的な使用と誤用について説明すること。

   ・教育のために患者データを二次的に使用することを支持するための適切な方針や手続きについて議論すること。

   ・患者/健康記録からのデータを使用する一般的な教育ツールを評価すること。

   ・レポート作成機器を使用し、トピック、頻度やアドホックな疑問による標準的な検索を行うこと。

   ・集合データを用いて、臨床に関連した作業を行うこと。

   ・付記

    患者の母集団に関する知識と、集合データの解釈におけるデータの質の重要性を示すこと。

    健康情報を、疫学的、産業医学や人口学的研究の一部として使用すること。

    NHSの作業管理フレームワークを批判的に評価すること。

    3種類以上のニーズアセスメントの方法を示し、それらの強みと弱みについて議論すること。

    死亡証明を作成し、その情報を活用し、Coronialシステムを作動させることでの熟達さを示すこと。

    Queryシステムの基礎的な概念と、異なるシステムにおける可能な利用法を応用すること。

    異なるシステムにおいてデータへアクセスすることのできるソフトウェアの実例を使用すること。

 7.臨床、サービス監査(Clinical and Service Audit)

  1)よい実践のためのキーポイント

   ・全てのヘルスケア専門職は、同僚と協力して、ヘルスケアの質を監視し改善するとともに、特に定期的・組織的な臨床監査に参加すべきである。

  2)学習内容

   ・臨床監査のための良い実践上の助言を明らかにすること。

   ・監査の基礎的な要素を理解することと、患者や実践家への利益の概要を述べること。

   ・監査サイクルの主要な構成要素を定義すること。

   ・監査サイクルの所々の段階におけるデータと情報の使用法を明らかにし、情報技術がこのプロセスを促進するために活用される方法を述べること。

   ・データをミスコードすることの意味と危険性を明らかにすること。

   ・普段の業務における、監査への実際的な障害について議論すること。

   ・監査を計画する上で、標準とエビデンスを探すために、種々の情報源を使用すること。

   ・そのために利用できる情報技術を最大限活用して、職場における監査を計画し、実行すること。

   ・よい監査提案書と報告の特性を示すこと。

   ・監査と臨床管理の関連および、その監査への意義について議論すること。

   ・監査プロジェクトと監査プログラムの評価を実施し、監査とその管理において患者が果たす役割を正確に述べること。

 8.臨床システムを使用すること(Working Clinical Systems

  1)よい実践のためのキーポイント

   ・全てのヘルスケア専門職は、患者ケアを支援するためにどんなことに情報システムを利用できるか、また自分の実践においてどのように情報技術ツールを活用するかを、よく理解しなければならない。

  2)学習内容

   ・情報技術が有効なツールたりうるのは、いかなる方法においてか(How)また、いつか(When)を述べること。

   ・現行の技術とその使用における限界を理解すること。

   ・コンピュータ化するのに理想的な活動はどんなことか、また紙ベースであるべきものはどんな活動かを決めることができる能力を実証すること。

   ・国家や地域の主要なプロジェクトやイニシアチブを知っていること。

   ・健康情報システムのデザインの原則を説明できること。

   ・ソフトウェアを批判的に評価できること。

   ・異なる臨床場面でコンピュータを使用することの利点と不利点を明らかにすること。

   ・患者の診察においてコンピュータを(患者と記録を共有する、診察でキーボードを使用するなどで)最適に使用するための新しい態度とスキルを身に付けること。

   ・臨床情報システムについて、患者記録の第一次、第二次機能をいかに支援しているかを評価すること。

   ・臨床情報システムの役割を支持するエビデンスの強みと、その使用による利益について議論すること。

   ・NHSで一般的に使用されているシステムを明らかにすること。

   ・異なるNHS部門の間の情報の流れの複雑さを明らかにすること。

   ・患者ケアのために情報を照合すること、リファインすること、再区分することにおいて、一般的な実践が果たす重要な役割について明らかにし、議論すること。

   ・NHS部門を横断して情報システムを統合することの利益について述べること。

   ・システム統合の不利益を述べ、それを克服する方法を述べること。

   ・NHSにおける情報システムの統合において個人健康記録が果たす重要な役割と、安全性確保と機密性の意義について明確に理解すること。

   ・臨床情報システムが実際に成功する上で決定的な要因について議論すること。

 9.遠隔医療と遠隔ケア(Telemedicine and Telecare)

  1)よい実践のためのキーポイント

   ・ヘルスケア専門職は、遠隔医療/遠隔ケアにおける新しい発展を批判的に評価し、適切な教育と訓練とによって、患者ケアに有効なこれらの技術革新を導入すべきである。

  2)学習内容

   ・遠隔医療の種々の分野を説明すること。

   ・付記

    遠隔医療の概念を調べ、その1つ以上を実践に応用すること。

    新たな技術に対する評価段階を明らかにすること。

    成功した遠隔医療の応用例と、成功をもたらした特性について説明すること。

    患者との間での電子的なコミュニケーションの活用いう実践を支持するエビデンスを再検討すること。

W 基本的なコンピュータスキル

 1.基本的なコンピュータスキルは、多くの健康情報学学習プログラムにおいて必須条件であろう。これらのスキルがどのように発達するものであるかを検討することは重要である。学習者がこの領域において、なんらスキルを持っていない場合に、問題がおこることは経験的に知られている。さらに、学習者がこのスキルを実践するための手段へアクセスできない場合、プログラム管理者はこの問題をクライエントとその組織に申し述べ、次のことを制限する必要があろう。

  ・本プログラムの結果についての組織ないし個人の期待

  ・個人の発展計画における目的

 2.よい実践のためのキーポイント

  1)全てのヘルスケア専門職は、患者ケアと自らの専門性の発展のために、情報技術ツールを最大限に利用できるべきである。

 3.学習内容

  1)電子情報を整理すること。(ドキュメントにファイル名を付けること、ディレクトリを作成すること、ファイルを移動すること、ファイル名を付け直すこと等)

  2)簡単なドキュメントを作成するためにワードプロセッサーを利用すること。

  3)スプレッドシートを用いて、データを入力し処理すること。

  4)簡単なデータベースを検索すること。

  5)WWW上の関連サイト及び健康関連のデータベース(Medline、CINAHL等)を検索し、アクセスすること。

  6)種々の情報源から電子ドキュメントを検索/ダウンロードし、一つのアプリケーションから別のものへデータを転送すること。

  7)電子的なネットワークの根拠及びヘルスケアにおける使用例を説明すること。

  8)eメールとその付属物を送信し、受診し、受診通知を送付すること。

  9)ヘルスケアの提供と管理における有効なツールとしての情報技術の使用例を示すこと。

  10)NHSにおける情報システムの有効な使用について評価すること。なぜあるものは紙ベースで、またあるものは電子ベースであるかを議論すること。

  11)付記

   プレゼンテーション用のソフトウェアで、スライド発表を計画し、実行すること。

   モデムを組み立て、インターネットへ接続すること。

   関連する操作システム、ネットワークとネットワークされた情報のためのデータ標準を述べること。

X 教育提供者のための主要な前提と論点

 1.ここでは、健康情報学の学習プログラムを設計する際に考慮する必要がある事項についてのいくつかの意見について述べる。これらの意見は、包括的なものではなく、単に考慮すべき論点の有用な出発点にすぎない。

 2.教育プログラムの前提条件

  1)プログラムマネージャーは当該プログラムにおいてどのような基本的なコンピュータスキルが必要であるかを熟考する必要があろう。基本的なコンピュータスキルに欠けることは、情報技術設備へのアクセスが限定される結果であるかもしれない。いずれの場合も、健康情報プログラムへの参加者への不利益となろう。

 3.学習目標の設定

  1)課題ベースドな、学習者中心のプログラムにおいては、学習者が、自らの学習目標を設定する。極端な場合、プログラムマネージャーは、学習内容について殆ど管理をしないこともありうる。構造的なプログラムにおいては、ある組織やグループや個人が、学習者が学び実行する必要がある事項を検討し、適切な学習目標を設定する。ここでは深く検討しないが、学習への様々なアプローチに関する多くの文献が存在する。4つの先行的な卒後の情報学プログラムに関する評価報告において、論点が整理されている。重要な事項は次の通りである。

   ・学習目標を自ら設定した個人は、他者によって設定された個人よりも、高い所有感とモチベーションを持つこと。

   ・スポンサーとなる組織(NHS)には、学習設計において、安全や最善の実践に関する法的な内容や基準が具体化されることを保証する責任があること。

  2)プログラムには、整理された学習内容と、個人のニーズに対応した柔軟性が必要である。学習者は、自分の学習ニーズを同定し、学習目標を自ら設定し、自らの発展計画を作り上げることができる必要がある。

 4.学習ニーズを同定すること

  1)しばしば起きる問題は、学習者が自らの学習ニーズを同定できないことである。初めに、人々はしばしば、健康情報学はドライで、あまり魅力的でないと思う。データ、情報や知識などの一連の概念から始めることは、たとえ妥当なものであっても、ほとんどの学習者に役立つとは思われない。個人やグループに対して、ある臨床上のシナリオを通して学習する機会を与え、情報に関する課題とその意味を同定させ、そして自分の学習ニーズを考えさせることは、よりよいアプローチであるといわれている。

 5.アクセス−地域における情報環境

  1)人々が、新しい情報スキルを再強化し、保持するためには、そのスキルを使用することが特に必要であること。

 6.情報源

  1)健康情報学の学習プログラムの設計と実施を支援するための情報源が重要であること。