資料14 第7回国際看護情報学会(ニュージーランド)への参加

2000年4月末から5月初旬にかけてニュージーランドのオークランド(Auckland)にあるアオテアセンター(Aotea Centre)をメイン会場として開催された、第7回国際看護情報学会(The 7th International Congress of Nursing Informatics)へ出席した。この国際看護情報学会は3年ごとに開かれており、初回は1982年に英国で開催されていることから、国際的に看護情報学(Nursing Informatics)という用語が既に20年近く前から使われていることになる。

本学会の目的は「看護職や他の健康関連職種が、その職業上の目的を達成するための環境づくりに関して、情報を共有し、研究を進め、評価を行い、創造を行うための場を提供すること」とされている。スケジュールの概略は、本会議前には研究旅行(Study tour)とチュートリアルセミナー(ワークショップ)が実施され。

研究旅行は、4月24日から27日までで行われ、Christchurch、Wellington、Rotorua、Aucklandの各都市の病院や健康関連施設の視察が主目的であった。また、チュートリアルセミナーについては、4月28日・29日にかけて18種類が開催された。課題は、医療機関内における情報システムの使用、オンライン学習システム、看護の各種概念の標準化(NMDS,NOC,ICNP)、プライバシー保護、教育・研究におけるWEB活用、看護情報学教育、看護知識の表現のためのUMLの活用、情報管理、プロジェクト管理の改良等があり、その領域の世界的なリーダー(1〜4名)により小グループによるセミナーが実施された。

4月30日から5月3日までが本会議であった。30日の午後3時に開会式が行われ、Dr Ed Hammnd(Duke大)により患者記録の過去、現在、明日という題で、看護情報学の重要テーマであるPatient recordに関する研究成果が包括的に紹介された。効果的な患者記録のあり方について、マルチメディア技術の活用を基礎として、重要なポイントが説明された。夕方から、会場をオークランド博物館に移して、歓迎式典が開かれた。当地の先住民による出迎えの儀式の後、博物館ホールで立食形式で行われた。

5月1日と2日は同一の予定で、朝8時30分から90分間でState-Of-The-Art Address、30分のティータイム、2時間の演題発表(パネル討論、口演、ポスター、科学的デモが含まれる)の後、12時30分から2時までが昼食で、食事は会場に立食形式で準備された。その後半には特定テーマごと(歴史、知能システム、教育、モニタリング、マネジメント等の一定の幅のあるテーマ)のピア討論グループが人数を制限して行われた。そして、2時〜3時30分が演題発表、30分のティータイム、4時〜5時30分が演題発表という進行であった。2日の午後7時15分から11時まではCongress Gala Dinnerが開催され、歌手の歌、ダンスタイム、出しもの等凝った演出であった。3日は、午前は同様であったが、午後は昼食後に2つのState-Of-The-Art Addressがあり、午後3時30分から閉会式という流れであった。

この本会議での講演内容は、一冊の本として出版されている他、参加者全員には同じ内容を含むCD-ROMが配布された。今回、特に教科目としての看護情報学の基本的教育内容の考察に焦点をあて、この観点から各演題を聞いて回ったが、講演やポスター発表でのキーワードを挙げると、データベースの理解と作成、データベースを看護支援に活用すること、データマイニング、用語の標準化、患者情報システム、看護ケアの質の評価、インターネットを活用した継続教育、画面上のアイコンのデザイン、ソフト開発の訓練用のシステム作り、ファジー論理を活用した患者アセスメント、文書作成の標準化、健康情報学(Health Informatics)の提案、インターネット調査、患者や利用者のニーズ、インターネット上の情報資源などが挙げられる他、各国の教育機関・研究所や国際共同研究による看護情報学教育やIT技術の活用の紹介も行われていた。また、パネル討論のテーマは、医療情報学におけるセキュリティーの問題、EBN実践と言語と文章化、IT(情報技術)、国際標準化活動、看護情報学の教育(ナイチンゲールプロジェクト)、看護におけるコンピュータの歴史の6題であった。

これらの発表には、特にアメリカとEUとの研究状況がよく反映しており、看護情報学の各研究領域において、どんな課題があるかを把握するためには、またと得られない up to dateな情報を入手する貴重な機会であった。