資料12 シェフィールド大学看護学科における看護情報学シラバス

The Advanced Diploma in Nursing Studies (ADNS) & Midwifery Studies (ADMS) のシラバス(3年課程)

T モジュール1&2 基礎編

  1.目的

          1)看護・健康情報学が一つの教科目であることを紹介し、看護実践と人生の全側面におけるその重要性を強調すること。

          2)基礎的な情報技術に関するスキルを身に付け、本科目の学習教材であるWebCTの使用を含む大学のネットワークにある資源を使用することができることを保証

                すること。

          3)文献検索に関する研究スキルを身に付けさせること。

  2.重要事項

   1)モジュール1&2は、基調講義とセミナー(必須)およびとスキルベースドな授業(選択)からなる。

  3.1時限−基調講義:看護情報学入門

   1)90分の教室内学習で、講師と学生との討論と少人数のグループワークを行う。

   2)内容

   (1)学生の知識レベルの評価を伴う看護情報学入門

   (2)学生のニーズの把握に基づくスキル授業に関する議論

   (3)情報管理と情報技術の間の違いと看護学/助産学への関連

   (4)社会における情報技術−利点と不利点

   (5)データ保護法

   (6)学生の情報ニーズ−学習ニーズと利用可能な資源について

   (7)理論に関する授業とスキルに関する授業の関連

   (8)WebCTリーダーの紹介

  3)資料

   (1)ビデオ ドミノ効果

    ・看護職は、ヘルスサービスに関わる情報収集で主要な役割を果たしており、このビデオでは、ITが患者ケアにおいてより高い標準を達成することにいかに役立つか、また看護職が果たす主要な役割を説明する。

   (2)少人数(6人)でのグループ学習

    ・情報管理と情報技術という用語について、どう理解しているかを明らかにし、その違いを述べなさい。出来れば、その事例を挙げなさい。

   (3)練習問題

    ・高速度にかかわる技術は、今日の社会において、迅速なコミュニケーションを可能にしている。しかし、いつもこう行く訳ではない。次の時代において、人間はどのようにコミュニケートしていたかを述べなさい。

     電気を使用する前の人間

     電気を使用し始めた人間

     何が人間のコミュニケーションを可能にしているか

     コミュニケーションと電子機器の関連は何か。

   (4)情報の価値

    ・次のことについて考えること

     データとは何か

     データは、どんな場合に情報になるのか

     データの獲得、処理、保存、提供とは何か。(data acquisition, data processing, data storage, data dissemination)

   (5)情報とヘルスケア

    ・年齢78歳のE.G.さんは、転倒したため入院しました。不幸にして大腿部を骨折したため、手術が必要です。適切なケアを行うために、次のことについて考えなさい。

     データの獲得

      どんなデータが必要か、だれからデータを得る必要があるか。

     データの処理

      収集したデータについてどのような処理を行うか。

     データの保存

      収集したデータをどのように保存するか。

     データの提供

       誰に対してデータを提供するか。

   (6)社会とデータ

    ・今日の社会は、これまでのどの時代よりも、技術的な意味でより早く動いている。組織は規模の大小に関わらず、コンピュータシステムで処理された保存された情報をますます使用している。コンピュータは、私達全ての日々の生活に入り込み、もはやコンピュータの専門家だける排他的な研究領域ではない。

    ・社会では、情報が、絶え間なく私達から集められている。

     誰が、それを欲するか。

     なぜそれが必要なのか。

     どこにそれが保存されているか。

     誰がそれにアクセスできるのか。

     機密性は、どのようにして維持されているのか。

     データ保護法とはどんなもこか。

  4)スライド集

   (1)スライド

    ・情報管理

     自身

     社会

     看護

     ヘルスケア

    ・情報技術

     どんなツールを使うのか、それらをどのように使うのか。

   (2)スライド

    ・教育を受けた労働者は、新しい技術を利用する方法を学ぶ。

    ・教育を受けていない労働者は、その犠牲になる。

   (3)スライド

    ・情報技術の定義

    ・看護情報学の定義

   (4)スライド

    ・なぜ、それが重要か。

     学生が、宿題をワープロで作成すること、グループワークに印刷資料を作成することに役立つ。

     患者ケアを、データの収集と分析、データの保存と提供、時間を節約し従って費用も節約する、ことを通じて改善する。

   (5)スライド

    ・機密性/データ保護

     全ての個人について利用できる情報が量的な増加

     不適切なアクセス/使用の危険性

     ルールと規制

      データ保護法

      医学的記録アクセス法

   (6)スライド

    ・あなたが学習する内容について

     次のことに関連する情報学

      社会

      自己

      各患者へのケア

      患者グループと働くことと、チームで働くこと

      ケア管理における情報

   (7)スライド

    ・どのような学習方法で学ぶのか

     リーダー

     演習(スキル授業)

     討論、講義、セミナー

     実習

   (8)スライド

    ・責任のある実践者は、情報の受身な受取人以上でなければならない。彼らには、正しい疑問を立て、どこにその疑問への答えを探すへきかを知るための、分析的なスキルを身につけ、使用可能なあらゆる知識に基づきインフームドされた決定に到達することが必要である。

 4.2時限 スキル(選択)

  1)1講師当り最大15名づつのコンピュータを使ったスキル授業

  2)内容

   (1)ハードウェアとソフトウェアについて

   (2)大学ネットワークへのアクセス

    ・ログイン

    ・プログラムマネージャー画面

    ・画面の解像度の変更

    ・個人画面の設定

    ・プリンター出力とその費用に関する説明

    ・eメールとその使用について

 5.3時限 スキル(選択)

  1)1講師当り最大15名づつのコンピュータを使ったスキル授業

  2)内容

   (1)インターネットとWWWについて

   (2)検索エンジンに関する議論と確認及びヘルスケアウェブサイトを用いた検索技術の実践

   (3)WebCTにおける看護情報学コースについて

 6.4時限 スキル(選択)

  1)1講師当り最大15名づつのコンピュータを使ったスキル授業

  2)内容

   (1)ワードプロセッサーの基礎について

   (2)ディスクの管理

   (3)保存と印刷

 7.5時限 スキル(選択)

  1)1講師当り最大15名づつのコンピュータを使ったスキル授業

  2)内容

   (1)電子的な情報検索

   (2)ヘルスケアデータベースについて、Athenへの登録

   (3)ニュースグループとメーリングリストについて

   (4)CINAHLの使用について

   (5)BIOMEDへのアクセス

 8.6時限 セミナー ヘルスケアにおける情報管理と情報技術の諸側面

  1)90分の教室内学習で、講師と学生との討論と少人数のグループワークを行う。

  2)内容

   (1)これまでの授業のフィードバック

   (2)臨床実習への適用のための準備

   (3)モジュール3について

  3)スライド集

   (1)スライド

    ・本日の話題

     WebCTクイズのフィードバック

     ウェブサイト閲覧とメーリングリストの体験

     データ保護

     コンピュータのハードウェアとソフトウェア

     患者ケアにおける情報管理/情報技術

   (2)スライド

    ・WebCTクイズのフィードバック

     紀元前13000年のラスコーとは何か。

     ホメロスのイリアッドとはなにか。

     初期の文明では、算術的な計算のために何が使用されたか。

     ロンドンで最初の新聞が出されたのはいつか。

     最初のエジプト図書館を設立したのはだれか。

     英国で初めて公的図書館が設立されたのはどこか。

     ヨハンナ・グーテンベルグとはだれか。

     中国のrag paperとは何か。

     ウィリアム・カクストンが印刷機を作成したのはいつか。

     郵便切手を発明したのは誰か。

     マルチン・ルッターの論文の印刷が教会及ぼした影響は何か。

     印刷術は、ルネサンス期にどのように影響したか。

     次の事項は何か。

      ライノタイプ

      タイプライター

      ゼロックス(複写機)

      デイジーウォイール、ドットマトリックス、インクジェット、レーザー

   (3)スライド

    ・文献データベースの使用。STARやCINAHL

     これらのサービスを使うことを、どのように見出したか。

     どんな情報が利用できたか。

   (4)スライド

    ・ウェブサイト閲覧とメーリングリストの体験

     どのサイトを訪問したか。

     印象はどうであったか。

     紙でと比較して、このような発表方法はどんな具合であったか。

     どのメーリングリストに参加したか。

     それは、どんなものであったか。

     ヘルス専門職や患者にとって、これらがどんな状態であれば都合がよいか。

   (5)スライド

    ・データ保護

     データ保護法はいつ通過したか。

     いつから、それは有効となるか。

     看護実践における意義は何か。

   (6)スライド

    ・コンピュータのハードウェアとソフトウェア

     1000ポンドで何が買えるか。

     各種のハードヘアの使い道は何か。

     どんなソフトウェアを使用したことがあるか、その使用目的は。

   (7)スライド

    ・患者ケアにおける情報管理/情報技術

     最初の実習では、患者に関わる情報はどのように管理されていたか。

     どのような情報技術が用いられていたか。

     あなたが資格を取るまでに、これらがどのように変化すると思うか。

U モジュール3

 1.目的

  1)看護の諸領域において、学生が遭遇するであろう、様々なタイプの情報管理の方法と技術について、見通しを与えること。

  2)記録の保存、専門職基準や機密保持に関するガイドラインの適用能力を高めること。

 2.1時限 基調講演 臨床実践における情報管理について

  1)90分の教室内学習で、講師と学生との討論と少人数のグループワークを行う。

  2)内容

   (1)臨床情報学についての討論

   (2)情報管理について

   (3)多職種からなるチーム内におけるコミュニケーション戦略

   (4)電子化された記録とコードの問題

   (5)臨床場面における情報技術の諸側面

   (6)NHSにおける情報管理/情報技術の戦略について

  3)スライド集

   (1)スライド

    ・内容

     患者の電子的に記録することは、すでに行われており、これからも増加するであろう。

     単に管理的であることよりも、臨床的であるべきこと。

     安全性/機密性

     毎年500万ポンドの投資

   (2)スライド

    ・健康戦略のための情報のヴィジョン

     情報管理/情報技術戦略の指導的原則は、

      個人を基にした情報

      統合されたシステム

      演算システムから得られた情報

      演算で信頼できる情報

      HNSを通じた情報共有

   (3)スライド

    ・情報管理/情報技術の基盤

     新しいNHSフォーマット

     共有されたNHS管理登録

     コード化された臨床述語のシソーラス

     NHS相互を結ぶネットワーク

     コンピュータ通信の国家標準

     安全性確保と機密性の枠組み

   (4)スライド

    ・看護ケアのための情報

     患者ケアのためには、どのような情報が必要か。

      少人数グループで、看護ケアを行えるために、必要だと思う情報を、10項目まで挙げなさい。

     それらの情報はどこから得ることができるか。

      その情報源を明らかにしなさい。

     どのように情報は記録され、保存されるか。

     多職種からなるチームのメンバーの間で、どのようにして情報が共有されるか。

     患者か関係者は、この情報収集/共有に関与しているか。

   (5)スライド

    ・学習活動

     実習において、情報管理の側面について調べなさい。

     情報技術について実例を見つけなさい。

     次の設備を使えるようにしなさい。

      ワードプロセッサー

      データベース

      CD−ROMによるマルチメディア教材

      パワーポイント

 3.2時限 セミナー

  1)90分の教室内学習で、講師と学生との討論と少人数のグループワークを行う。

  2)内容

   (1)モジュール3のリーダーと臨床実践における応用についての議論

   (2)次の点に関する情報管理/情報技術の諸側面についてのフィードバック

    ・臨床場面における情報管理/情報技術の使用についての諸側面

    ・患者ケアに関して収集される情報の種類と内容

    ・量的、質的なデータの記録について

    ・情報にアクセスできる人/いかに共有されるか。

    ・ケアのプロトコールとパスウェイ及びコンピュータ化されたケア計画立案

V モジュ−ル4

 1.目的

  1)NHSにおける情報管理についての理解を深めること。

  2)NHS内におけるコンピュータシステム利用の発展を調べさせること。

  3)情報管理/情報技術戦略及びそれがヘルスケア専門職に対して持つ意味を調べさせること。

 2.1時限 基調講演:NHSにおける情報管理と情報技術戦略の影響について

  1)90分の教室内学習で、講師と学生との討論と少人数のグループワークを行う。

  2)内容

   (1)資源管理とコンピュータシステムの発展経過について

   (2)NHSにおける情報管理/情報技術戦略の発展と成果指標の使用について

    ・HISS(病院情報支援システム)の発展

    ・電子的患者記録と電子健康記録とデータの安全性の問題

    ・電子的な情報交換を可能とするNHSnetの発展について

    ・根拠に基づいた実践−電子情報の安全性確保と機密保持を求めて

 3.2時限 セミナー

  1)90分の教室内学習で、講師と学生との討論と少人数のグループワークを行う。

  2)内容

   (1)リーダー4の内容とその臨床場面への応用に関する討論

   (2)現在使用されている看護情報システムについて

   (3)看護の言語/専門用語とデータの正確性の重要さについて