W.まとめ

 本研究は、EBNを推進するために不可欠な基礎的分野である看護情報学と看護における疫学および臨床疫学をテーマとして、実証的な看護研究の先進国である英国との共 同研究を行ったものである。すでに欧米では、看護情報学は看護の専門領域の一分野をしめるものとして理解されているが、わが国では看護情報学に関心をもつ研究者は少ない。これを主題とする論文等は増加しつつあるものの、看護情報学と題する書籍は今だ 存在していない。また、特に保健婦教育においては疫学の学習が大きな重みが与えられ ているが、主として公衆衛生学における疫学を内容とするものであり、看護領域における疫学の活用は低調である。EBNの定着のためには、看護職による看護情報学および 疫学・臨床疫学へのより主体的な寄与を促進することが重要である。
 そこで本研究では、まず、内外の研究成果や既存資料の収集、英国(共同研究者)に おける看護疫学および看護情報学の研究・教育に関する現地調査の実施や看護情報学セ ミナーへの参加等で体験的に入手し得た情報を整理し、看護情報学および疫学の看護へ の応用に関する広範囲な資料集を作成した。次に、これらの資料の分析を通じて看護に おける疫学の意味や看護情報学に関して根本的な検討を加えた。そして、疫学および臨 床疫学の看護への応用としての看護疫学を提唱するために、その体系試案を作成した。
 さらに、看護情報学に係わる基礎的な概念の明確化をすすめ、看護基礎・卒後教育とし ての看護情報学の教育内容と方法等について考察した。
 本研究を通じて収集・作成した情報は多岐にわたっているが、わが国では初めて紹介 された情報やこれまでふれられる機会の少なかった情報も数多く含まれている。これら を図表、資料としてまとめる他、収集した図書の一部について目次を含めて添付した。

 最後に、本国際共同研究の機会を与えていただいた財団法人 ファイザーヘルスリサーチ振興財団の関係者の皆様に、心よりお礼申し上げます。
                                                        

目次へ戻る