私たちは,子どもと家族の未来のために何ができるのかを考え,小児看護学の教育に取り組んでいます.それと同時に,子どもや家族からたくさんのことを学ばせてもらう学習者でもあります.
私たちは子ども時代を過ごしてきましたが,学校で起きたことを家族に秘密にする理由や,遠回りをして家に帰る理由など,子どもの行動の意味が推測できなくなっています.また,医療従事者として病気や障害をもつ方々と関わってきましたが,看護師にはあっという間の10分が,恐ろしく長い10分を過ごす方々がいることを本当にわかっているでしょうか.さらに,医療の進歩は人々の多様な健康状態を生み出し,治ったとは言えない健康レベルの方々と関わることも増えてきました.そういう方々に「生活の質向上」を目指す看護を考えることもありますが,それを掲げた途端,その方々がこれまで疾病と向き合ってきた時間を無意味なものにさせてしまうことを学ぶこともあります.
子どもと家族を大切に思い,寄り添い,確かな知識と技術を持って看護できることは勿論ですが,寄り添った子どもと家族から看護を問い直せる小児看護の実践者,研究者を育てたいと考えています.それが子どもと家族の未来のために私たちにできることの一つです.
など
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