バイアスについて知ろう

●バイアス(偏り;BIAS)系統誤差ともいわれます。 調査または推論の過 程において、系統的に真の値から離れた結果が生ずることで、偶然の誤差とは区別されます。

バイアス選択バイアス(selection bias)と 測定バイアス(measurement bias)に大別されます。

選択バイアスは、研究対象に選ばれたものと、選ばれなかったものとの間に見られる特性の差によって生ずる系統的な誤差をいいます。

測定バイアスは、調査すべき変数に関して、対象者を不正確に測定(または分類)することによる系統的な誤差をいいます。

バイアスについては、いろいろな種類が知られており、その代表的なものを示しますが、結果の考察にあたっては、これらの偏りの可能性について考察することが必要です。重複する内容を含んでいるものもあります。


それでは、バイアスにはどのようなものがあるでしょうか?

げにバイアスは世に多けれど・・・(猫田)

選択バイアスではこんなものが・・・

標本抽出のバイアス(sampling bias)
母集団または調査対象の全構成員から無作為に標本を選ばない限り、バイアスの生ずる可能性があります。
 
 
自己選択バイアス(self-selection bias)
研究に自発的に参加したものと、参加しないものの特性の差によるバイアス。
 
脱落バイアス(losses to follow up)
研究対象からの脱落が疾病の発生と関連しているバイアス。
 
罹患率と有病率との違いに基づくバイアス(Neyman's bias)
早い時期に曝露を受けた者を後で振り返って観察する場合、早期死亡者や軽ケース,無症状例などが脱落することがあり、これがもとで起こるバイアス。
 
持続性によるバイアス(length bias)
一方の集団に長期の罹病患者(最も長期間の生存者)を多く選び、他の集団では選ばれないために生ずるバイアス。新発生患者を対象とせずに有病患者を対象とするときにこのような偏りが生じることがあります。
 
時間差によるバイアス(lead-time bias)
2群の集団を追跡するとき、両群が時間に関して厳密には比較可能な状態で研究が開始されないために生ずるバイアス。一群が他群に比べて、疾病の自然史の中で、早い時期に診断されるようなときにこのような誤差を生じます。
 
所属集団によるバイアス(membership bias)
ある群に所属している者は一般集団とは違った健康度を示すことによるバイアス。例えば、企業に勤務する人を調査対象に選んだ場合、一般住民に比べ健康度が高いことがあります。(healthy worker's effect)
 
バークソンのバイアス(Berkson's bias)
入院記録にもとづき、曝露と疾病の関係を分析しても、結果は正しくないというバイアス。
過去の病院記録に基づく場合、研究対象となる標本は、「自らの意思で来院してきた患者」であり、研究結果を適用したい集団(母集団)から「無作為に選ばれた患者ではない」ことからバイアスが生じる事が知られています。

測定バイアスもこんなにたくさんあります!

情報バイアス(information bias)
曝露量と反応に関する情報の質(精度)が比較群の間で異なるために生ずるバイアス。比較群で異なる調査方法を使用する場合などに起こります。
 
観察者によるバイアス(observer bias)
真の値と観察者によって測定される値の間に生ずるバイアス。これは観察者間の測定のばらつき同一観察者の異なった測定間のばらつきに分けることができます。
 
診断バイアス(ascertainment bias)
観察者によって、対象としている患者の基準(例、軽症、中等症、急性症)が異なるために生ずるバイアス。診断過程に生ずる系統的な誤差(患者の治療を行うものの文化、習慣、性格などによって決まる)をいうこともあります。
 
数字の好みによるバイアス(bias due to digit preference)
測定結果をある種の数にまとめようとする好みで生じるバイアス。最も近い整数、偶数、5または10の倍数などにまるめられるクセなど。
 
想起バイアス(recall bias)
過去の出来事や経験の記憶を想起するとき、その正確さと完全さが異なるために生ずるバイアス。例:白血病で死亡した子供を持つ母は、健康な子供を持つ母親よりも、その子供が胎内で曝露したエックス線診断の内容をよく記憶している。
 
発見バイアス(detection bias)
疫学調査における症例の確認方法、診断方法、証明方法などによるバイアス。例えば、病院例は検査所見で診断を確認するのに対して、病院外の症例では同様の検査を実施しない場合があり、選択基準があいまいになります。
 
思いめぐらしによるバイアス
ケースは自分の疾病についていろいろ思いめぐらすので、思い出し方がコントロールとは異なることによるバイアス。
 
記憶上のバイアス
ケースは何回も繰り返し尋ねられた経験があるのに対して、コントロールは始めて聞かれることによるバイアス。
 
家族歴のバイアス
ケースは家族の健康状態に詳しいため、家族歴情報をケースから聞く場合とコントロールから聞く場合とで差があるというバイアス。
 
報告バイアス(reporting bias)
特定の情報が選択的に抑えられたり、表面化したりするバイアス。例えば、性行為感染症の既往歴。
 
追従によるバイアス
調査者の気に入るような方向に、回答が変わるバイアス。
 
面接者バイアス(interviewer bias)
面接者の意識的または無意識的な資料の選択によるバイアス。
 
気づかいによるバイアス
対象者が思い悩んでいることを尋ねると、それについての情報が通常のレベルから変わるバイアス。
 
非認容によるバイアス
プライバシーの侵害や赤面させるような事項についての質問は拒否されたり、答えをはぐらかされてしまうバイアス。
 
要因予知によるバイアス
患者の症状についての知識があることによるバイアス。 ・・・たくさんあるにゃあ・・・sigh・・・・

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